口腔外科とは

口腔外科のイメージ写真

口腔外科は、歯に生じたトラブルを治療するだけでなく、お口まわりの様々な問題を幅広く解決する専門診療科です。
当院の口腔外科では、主に親知らずや埋伏歯の抜歯、顎関節症、口内炎、お口のケガなどに対応いたします。
診察の結果、専門的な治療が必要となったときは、当院と提携している歯科医療機関をご紹介いたします。

親知らずの抜歯

親知らずも、一般的な歯と同じような生え方をしているならば特段の問題は生じません。
しかし、実際には横向きに生えていたり、完全に生え切らなかったりするケースがほとんどです。
このような親知らずでは上手く歯みがきができないので、虫歯や歯周病になる可能性が高くなってきます。
ケースバイケースですが、抜いてしまった方が良い親知らずも多いので、まずは当院までご相談ください。

埋伏歯の抜歯

埋伏歯とは、骨または粘膜の中に埋もれて、出てこない歯のことです。
その状態により、骨の中に完全に埋まっている「完全埋伏歯」、歯の一部が見えている「不完全埋伏歯」、親知らずが真横を向いて埋まっている「水平埋伏智歯」に分けられます。

歯がきちんと生えてこない原因の多くは、歯が生え出すのに必要なスペースが足りないことです。
埋伏歯があると、歯が押されて歯並びが悪くなったり、永久歯が生えてこられなかったり、また嚢胞の原因になったりします。
親知らずが不完全埋伏歯の場合には、親知らず周囲の歯茎が炎症を起こすこともあります。
特に問題が無ければそのままにして様子をみることもありますが、歯を覆っている骨を削って埋伏歯が生えてくるように誘導したり、埋伏歯を牽引して矯正するケースもあります。
親知らずが埋伏している場合には、多くは抜歯となります。

口腔がん

歯医者で口腔がん検診ができる?

口腔がん検診を受診できる体制が整っているため。
日本における口腔がんの死亡率は34%とアメリカの約2倍あります。
口腔がんの発症までに通常5〜10年程かかるとされ、口腔がんの多くは白板症、紅板症などを経て発色します。
なんらかの症状が現れた時、心配に思われた時だけでなく、歯科医院での虫歯や歯周病の検診の時に定期的に口腔がん検診を受けられることをお勧めします。
成瀬駅前アライフ歯科クリニックでは、治療を終えられた患者様、新しくいらっしゃる患者様に歯科検診、予防処置だけでなく、口腔がん検診や妊婦歯科検診も行なっています。

口腔がんとは?

現在、日本では2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで亡くなっています。まさに「日本人の国民病」の1つと言えます。
口腔がんはお口の中に発生するがんで、歯以外のどこにでも発生する可能性があります。
舌がん、歯肉(歯茎)がん、口腔底(舌の下)がん、頬粘膜がん、口蓋がん、口唇がんがありそのうち日本で1番舌がんです(約60〜70%)。

  • 口腔がんの推移のグラフ 出典:国立がん研究センター がん情報サービス2016年
  • 口腔がんの男女のグラフ 出典:日本頭頸部癌学会 2016
    「Report of Head and Neck Cancer Registry of Japan
    Clinical Statistics of Registered Patients, 2016」より
部位別のがんの順位 出典:2016年国立がん研究センター

頭やのどにできるがんの中では喉頭がんに次いで多いのが口腔がんです。
がん全体からみれば約1〜3%と低い数値ではありますが、日本では年間7675人が口腔がん(咽頭含む)で亡くなられています。残念ながらこの数値は年々増え続けています。
口腔がんの場合、初期は自覚症状がほとんどありません。
痛みがある、食べ物飲み物がしみる、違和感がある、首のリンパ節が腫れる、なかなか口内炎が治らないといった症状が出てきた時には既にがんが進行している状態のことがあります。
目に見える症状として、舌や粘膜の変色があります。
他にもしこりがあるザラザラた突起・潰瘍、口の中の痛み、痺れ、物が噛みづらい、飲み込みにくい、話しづらい、顎や舌が動かしにくいなどの症状が現れることがあります。

早期発見の重要性

がんに限らずどの病気でも「早期発見・早期治療」が1番です。
口腔がんの場合、初期段階(ステージⅠ)で治療をすれば5年生存率は97%というデータがあります。
しかし、進行がんの5年生存率は20%以上も下がると言われています。病状にもよりますが、がんを完全に取り除くために舌や顎を切除する可能性があります。
ただ、浅い口腔がんであれば切除範囲も小さくて済むため、大きな後遺症も残らない可能性が高くなります。

白板症と紅板症

口腔がんを引き起こす要因は様々ですが、口の中に白い斑点(白板症)が見られた場合、3〜5%の確率でがん化する可能性があります。
また、粘膜のただれ、赤い斑点(紅板症)は白板症よりも高い確率でがん化すると言われています。
これらを前がん病変といい早期に発見することが大切です。
また、不適合な義歯、歯列不正による慢性的な粘膜への刺激、親知らずの挺出(噛み合う歯がなく歯が下に落ちてしまうこと)による粘膜への刺激などもがん化する可能性があり、日頃から同じ部位によく傷ができる場合には注意が必要です。

口腔がん検診

口腔がんの早期発見や、異形成段階(がんになる前の状態)を早期発見し治療するためお口の中の検診をします。

口腔がんの主な原因

  • 生活習慣(喫煙、飲酒など)
  • 歯列不正、不適合な入れ歯
  • 虫歯、歯周病、不適合な詰め物や被せ物
  • アマルガム(水銀の入った鉛の詰め物)
  • 口内炎(10日くらい経過しても治らない場合要注意!)
  • HDV(ウイルス) など

日本は世界の先進国の中で唯一、口腔がんの死亡数が激増している国です。
最低でも年に1度「口腔がん検診」を受診するようにおすすめします。